インタビュー企画「温故知新」

「温故知新」=「故きを温ねて新しきを知る」。
昔のことをよく学び、そこから新しい知識や道理を得ること。また、過去の事柄を研究して、現在の事態に対処すること。(「故事ことわざ辞典」より)

 

連載企画「温故知新」は、愛媛県中小企業家同友会(以下、愛媛同友会)設立30周年に向けて、会歴の長い皆さんを対象として行ったインタビュー企画です。
1985年9月14日に設立され、2015年で30周年を迎えた愛媛同友会と共に歩んでこられた皆さんが、同友会で何を学び、何を感じているのか。

これからも続く激動の時代を歩むヒントにしていただけたらと思っています。

2015年10月
同友会は本音で失敗や悩みを語る会
米岡 一嘉氏
2015年9月
学び続けることで新しいものの見方ができるようになる
阿部 信之氏
2015年8月
『共に育つ』というのはお互いがお互いを生かすということ
米山 尚志氏
2015年7月
普段から相談できる環境づくりが必要
中井 英明氏
2015年6月
同友会理念の理解を深め、学び実践することが重要
平野 啓三氏
常に目的は何かを考えて同友会運動をしていかないといけない
横本 恭弘氏
2015年5月
経営指針の重要性、必要性に気づきました
久保 安正氏
正しい目的があれば結果はついてくる
大川 耕三氏
2015年4月
手段としての民主ではなく、目的としての民主
吉岡 毅氏
同友会は失敗を語り、聞ける場です
井浦 忠氏
2015年3月
「経営者は黒子で社員が主役」
金子 司郎氏
全社員反対の移転から理想の経営実践へ
内田 敏之氏
2015年2月
自社や同友会全体が良くなるためにはどうしたらいいのかを考えることが重要
服部 豊正氏
私の学びの原点は『労使見解』です。
武田 正晴氏
2014年12月
繰り返し行動すること、続けることが大切
一色 隆士氏
同友会との出会いが会社発展の原動力
良野 一生氏
2014年11月

愛媛の地に同友会をつくることを誓いあって・・・

設立から30年の歩み

国吉 昌晴氏
2014年10月
挑戦し続けること、前を向いて走り続けること
藤井 滋氏
憧れの人になることが大切
鎌田 哲雄氏

愛媛同友会の歴史と特徴

愛媛同友会の歴史

(1)設立までの準備期間(1985年1月~9月14日) ~同友会を愛媛の地につくる~


【1】愛媛同友会設立準備会(85年1月から)として準備会例会を1月から開催。*中同協、香川、広島同友会を中心に物心両面でお世話になる。

【2】 愛媛同友会昭和60年(1985年9月14日)会員数30名で全国28番目に設立。*北海道同友会から学ぶ。

(2)設立(1985年9月)~1991年度 ~潰してはならない。同友会理念と全国から学ぶ~


<会員数30名⇒320名>

【1】社員教育(共学・共育)を重視した活動。

【2】経営指針成文化セミナーを開催(1987年9月~現在57回開催。受講生296人)。

【3】第4回社員教育全国研修交流会を開催(1988年11月開催)。*山本万喜雄先生が同友会で初めて講演。*愛媛同友会の社員教育の役割を文章化「労使見解の精神を実現するには経営指針が不可欠であり、社員教育で実践する」。

【4】全国3大大会の報告者を養成することを位置づける(現在までに全国総会7回、全研11回、青全交16回)。

(3)1992年度~1995年度 ~基礎づくり(愛媛同友会の方針の定式化に挑戦)~


<会員数320名⇒370名>

【1】第8回労使問題全国交流会を開催(1991年8月開催)・・愛媛同友会版ビジネスモデル三位一体の考え方を定式化する。【2】三位一体の考え方を定式化(労使見解の精神を学び、経営指針を確立し、社員教育を実践する)。(愛媛同友会の企業づくり方針とする)⇒人が生きる経営(経営指針・社員教育・求人)2011年度に20年ぶりに改定。*経営指針成文化卒業生の会“あらぐさの会”設立(93年3月18日)、三位一体の考え方組織的に前進させる活動に着手。

【3】 愛媛県内中学校との「職場体験学習」を中小企業団体として全国初めて実施(1994年から現在までに2896名の生徒を延べ680会員受け入れ。授業と実習一体型として41回実施)。

【4】愛媛同友会創立10周年にアメリカ・ピッツバーグ視察。

【5】「産学連携」、「企業支援」「女性経営者育成」の3つのキーワードを学ぶ。

【6】第1回報道関係者懇談会(1992年9月22日~現在までに13回開催)。

(4)1996年度~1998年度 ~10年経過しての活動実践の展開を進める~


<会員数370名⇒419名>

【1】愛媛同友会として初めて、3ヶ年アクションプランを確立着手「第1次中期ビジョン」を策定。特徴は・・・グループ会制度導入=四国中央支部が現在も運用、産学官連携に着手。

【2】インターンシップを実施(1998年から松山大学経済学部、99年から愛媛大学教育学部、00年から理学部、03年から愛媛大学・松山大学の全学部 現在は県内5大学で取り組んでいる) 。

【3】第14回社員教育活動全国研修交流会の2度目開催(1998年11月)。*10年間の「人育て運動」の活動検証。共に育ち合う土壌を内外につくる職場体験学習の総括。

(5)1999年度~2000年度 ~最高会員数と産学官との関係スタート~


<会員数419名⇒370名>

【1】企業、行政、教育の関係、その他の新たな関係に着手。

【2】愛媛県知事、松山市長との懇談を通して毎年の総会などの会合への出席(現在は出席だけではなく県や市の各部局との関係が構築され、代表理事や役員、事務局長は委員委嘱を受けている)。

【3】第27回青年経営者全国交流会(99年9月9日・10日)を開催~愛媛県知事・松山市長・愛媛大学長が2日間参加~。

(6)2001年度 ~ビジョンが描ききれない・新たな方針への模索を行う~


<会員数370名⇒355名>

【1】第18回中小企業労使問題全国交流会の2度目開催(01年8月)。

【2】10年間の「三位一体(労使見解を学び・経営指針成文化し・社員教育を実践する)の考え方」活動の検証。

(7)2002年度 ~いわゆる鎖国体制が始まる~


<会員数355名⇒335名>

【1】第3次中期ビジョン策定(02年度~04年度)。*社会に誇れる強い企業づくりを支援できる同友会づくりが骨子。

【2】特徴:大学との連携に着手(愛媛同友会経営品質評価基準・実態調査・政策活動、同友会大学の実施)。

【3】特徴:各行政・団体との連携強化の方針。

【4】第20回全国広報交流会(10月)を松山市で開催。松山市への政策提言を初めて実施(松山支部として)。

(8)2003年度 ~産学連携を強化・・全国発信の企業変革支援プログラムに着手~


<会員数335名⇒318名>

【1】第1期同友会大学を開講(~現在も継続実施)。

【2】愛媛同友会としてNPO設立を承認・NPO法人えひめ中小企業支援協会(04年4月登記完了)。

【3】愛媛大学・愛媛同友会共同の景況調査(EDOR)を実施(年4回~現在も継続実施)。

【4】愛媛大学・愛媛同友会・松山市の三組織で企業評価プログラム(現在の企業変革支援プログラム)の研究会を立ち上げ、1年後に松山市企業評価プログラムを完成・答申する。

【5】松山産業集積施設センター・ビズポートに入居(2003年6月)。

(9)2004年度 ~愛媛同友会の量的底であり危機に直面~


<会員数318名⇒295名>

【1】愛媛同友会としてインターンシップ活動を見直し3K(教育・雇用・起業)と定義づけ。申し合わせ事項も作成。3Kに基づき愛媛大学法文学部と共同でチャレンジジョブ活動に着手。会員企業・事務局に愛媛大学生就職が始まる。

【2】NPO法人えひめ中小企業支援協会が愛媛県内4大学間インターンシップ連絡協議会の業務委託を行う。*愛媛県内のインターンシップワンストップ構想を各機関に働きかけることに着手して県内4大学連絡協議会を設立。

(10)2005年度 ~全国から学ぶ機運作りに着手~


<会員数295名⇒298名>

【1】愛媛県中小企業家同友会三番目の支部として今治支部を設立(1996年以来の支部)。*愛媛同友会の到達点を学び、新たな支部には支部理念を作成する事を確認(今治支部、伊予松前支部、東温支部)。

【2】四国経済産業局と共催で四国4県中小企業家同友会による上海視察ミッション実施(四国経産局・4同友会・大学)。

(11)2006年度 ~鎖国体制からの脱皮・近代化(全国から積極的に学ぶ)~


<会員数298名⇒307名>

【1】第4次中期ビジョン策定(06年度~08年度)*愛媛同友会10年ビジョンが骨子。

【2】香川同友会に学び、「支部づくり」を行う。松山第1支部、松山第2支部、伊予松前支部を設立して5支部制(現在5支部・3地区会)。

【3】大阪同友会に学び「例会改善」を行う。例会改善を通して会員拡大を図ることを目的に「勝利の方程式」として公式をつくり全支部で実践。同時に、企業経営の視点と同友会運動への担い手づくりを大胆に行う。

【4】愛媛県内産学官で組織する「えひめ若年人材育成推進機構」の役員団体となり、四国経産局と愛媛大学との共同で若者の中小企業理解促進活動(企業変革支援プログラムを活用したインターシップ)に着手。

(12)2007年度 ~最高会員数達成と新たな同友会改革と土壌(会風)づくりを進める~


<会員数307名⇒422名>

【1】「仲間づくり運動の方程式」と改めて全支部で取り組む。過去最高会員数となる。『仲間づくりの運動の方程式』とは、「会員企業の経営に役立つ、より満足度の高い例会づくり」と「会員が例会に参加したくなるアプローチ」を組み合わせることによって、会の活性化を図り会員の会活動への参加率を高め、さらに会員数の拡大にもつなげるのが目的。東温支部を設立。

【2】愛媛大学法文学部において愛媛同友会「現代中小企業論」として提供講座(全15講義)を開講して中小企業の体系的理解を広めることに着手。同友会では旧国立大学とは初めての提供連続講座。

【3】13年間の中学校との職場体験学習活動が評価され愛媛同友会が県内初の文部科学大臣表彰を受ける。

(13)2008年度・2009年度 ~会員のパートナーとしての事務局が確立=理念・方針の確立~


<会員数422名⇒433名>

【1】支部の確立が重点。支部活動の柱は例会と仲間づくり運動の2本柱として位置付ける。それを保障するために幹事会の確立と充実に力を注ぐ。同時に、全支部でグループ討論研修会を実施して「学べる例会づくり」を進めている。グループ討論の位置付けそのもの変化させ、社内でも活用できるものとする。愛媛大学提供講座でもグループ討論を活用。

【2】第40回全国総会(2008年)で報告する機会を与えていただき、事務局長として23年間を総括。総括して気づいたことは、会員経営から事務局長として学ぶこと。会員に要請や依頼することは、事務局長も実践すること。

【3】2008年6月「ともに学ぶよろこびが、未来をひらく鍵になる」事務局理念確立、2009年事務局方針を確立する。

(14)2010年度 ~会員の身近な存在としての同友会(相談機能)の確立~


<会員数433名⇒420名>

【1】これまでの愛媛同友会は、長期的視点に立った「人育て」「企業づくり(経営指針)」に重点を置いてきました。しかしこれだけでは、情勢を突破することは困難。付加価値・新市場創造や資金繰りといった短期・中期の課題にも応えていくことが、求められています。愛媛同友会の強みである『経営者と社員が共に学び育つ合う学習活動』の強化と同時に、課題にこたえるための専門委員会や経営相談室(1年間で85件の相談がある)の強化。

【2】第2回人を生かす経営全国交流会を開催。同友会運動の教訓であり未来の経営の原動力である『人を生かす経営=経営指針を確立・社員共育の実践・求人活動の実践』を愛媛同友会の会風とする第一歩。

(15)2011年度 ~産学官連携による条例づくりに着手~


<会員数420名⇒444名>

【1】産学官連携が更に進む。・経済産業省(四国経済産業局)から「中小企業魅了発信事業」を委託。・東温市との中小企業振興基本条例では、東温市商工会や愛媛大学を巻き込んでの定石に基づいた中小企業振興基本条例づくりに着手。定石とは(実態調査・条例・推進会議)をいう。

(16)2012年度 ~全国に対応した活動確立と「人が生きる経営」の新方針と産学官が進む~


<会員数444名⇒500名>

【1】愛媛県からの緊急雇用対策事業を委託。東温市の就職マッチング事業を委託。

【2】松山市教育委員会と「キャリア教育」を共同事業として市立小学校55校・市立中学校29校で取り組む。

【3】松山大学キャリアセンターや松山東雲女子大学とパイロット授業に着手。

【4】松山市の施設(ビズポート)から愛媛県の施設(アイテムえひめ)に同友会事務局が移転(2012年7月22日)。

【5】経済産業省主催の第3回キャリア教育アワード優秀賞(地域密着型キャリア教育部門)を受賞。
【6】共同求人委員会を立ち上げ、合同入社式・新入社員研修会に着手。所謂、採用から教育・定着の「人育て」活動が確立され、この26年間土壌づくりをしてきた「共学・共育・共生」の活動が同友会内外で実施できる。

(17)2013年度 ~史上最高の会員数となる~


<会員数500名⇒502名>

【1】愛媛同友会組織改革を実施…人を生かす経営本部(企業づくり)、中小企業憲章・条例本部(地域づくり)、増強本部(同友会づくり)の3本部体制を確立。

【2】東温市中小零細企業振興基本条例施行(2013年4月1日)。

【3】東温市中小零細企業振興円卓会議委員として参画。

【4】松山市中小企業振興基本条例検討委員として参画。

【5】中小企業振興基本条例制定方針は…「実態調査・条例・産業振興会議」の定石を基本とする。

(18)2014年度 ~条例運動が進み、全国で初めて中小企業関係団体として中小企業家同友会が条例文に明記された~


<会員数502名⇒>

【1】愛媛大学法文学部非常勤講師として専務理事が委嘱。

【2】松山市中小企業振興基本条例施行(2014年4月1日)…全国で初めて、中小企業関係団体として同友会が条例文に明記された。

【3】松山市中小企業振興円卓会議の座長並びに委員に会員が参画。


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