同友会理念の理解を深め、学び実践することが重要

平野 啓三氏

<平野 啓三・プロフィール>
1947年生まれ、株式会社平野代表取締役。愛媛県中小企業家同友会代表理事。
「私達は常に学習に努め、社員満足と資質向上を原動力に、今治の地に根を張った薬局業務を創造発展させ、保険調剤&ヘルスケアで地域の皆様のQOL(生活の質)に貢献します」を経営理念に掲げ、“医薬分業”が進む中、地域社会と共に歩む企業づくりをすすめています。
薬の専門家から経営者へと脱皮するために1989年に同友会入会。2005年9月14日に設立された今治支部初代支部長として企業経営と同友会運動を不離一体として活動しているのはご存知の通りです。1993年設立のあらぐさの会(経営指針成文化卒業生の会)初代会長、今治支部初代支部長等々を歴任して2014年度から代表理事に就任、現在に至ります。

―入会のきっかけ

1989年に入会しました。「危ない中小企業の経営診断」という本に出会い、この本を読んで同友会で学びたいと思い、事務局に連絡して鎌田専務理事(当時事務局長)が来訪し、入会しました。当時の愛媛同友会には、自ら進んで入会する方は珍しかったようです。

 

当時経営を学ぶ場もあまりなく、私自身薬剤師としての勉強はしていましたが経営の勉強はほとんど出来ていませんでしたので経営の勉強がしたかったという思いが強くありました。

 

元々薬剤師として調剤薬局を作り、薬剤師の職能を確立したいという思いで始めた仕事だったため、経営者という自覚があまりなかったのですが、経営に関する知識も必要だと思っていた時でもあり、自分で経営を行っていくためにはきちんと学べる場が必要だと思っていました。

―同友会での学び、経営に生きていること

そもそも入会当時は「経営指針」という言葉すら知りませんでした。入会してからは毎回松山で開催されていた例会に足を運び熱心に学んでいました。

 

経営指針は入会してすぐに経営指針成文化セミナーを受講し、経営指針成文化セミナーの卒業生で結成されていた「あらぐさの会」にも所属し、初代の会長を務めました。毎年社内で経営指針も見直すようにし、今でも年に3回の全社員参加による発表・中間チェック・総括の会を続けています。そこではグループ討論・グループ発表・感想文・懇親会と、同友会で行っていることを会社でも同じようにして実践しながらPDCAサイクルを回しています。

―失敗や成功

経営している中でのターニングポイントになったのは、何よりも同友会に入会したことだと思っています。多くの学びを得ています。同友会に入会してからでは、地元で学べる場をつくろうと、2005年に今治支部作りに参加し、自社の経営理念を見直したことが次のターニングポイントです。

 

それまでも経営理念は掲げてはいましたが、理念を深めるよりも計画や方針にばかり目が向いていたように思います。店舗拡大を行う中で松山市に出店し、結果失敗し撤退に至りました。そのタイミングで支部作りが進みました。支部を設立していく中で、もう一度成文化セミナーに参加し、経営理念を見直しました。経営理念を深め、理念に基づく経営を行っていこうと意識していきました。

―同友会への期待

同友会理念の理解を深め、多くの人が自社に具体化し、会員さんはどうして同友会に入会しているのかを考え、学び実践することが重要だと思います。同友会がどんな組織でどんな目的・目標を持ってやってきたのかということを理解し、同友会運動に確信を持ってもらいたいと思います。

 

そのためには本を読むこともそうですし、同友会が発信している情報等も自社に生かしていく必要があると感じています。愛媛だけにとどまらず、全国の会員さんと交流していくことも学びの一つだと思います。

 

そういった会員さんがいかに増えるかが重要だと思っていますし、同友会に入って良かったと思える人が増え、地域からあてにされる、同友会らしい企業が増えることを期待しています。

 

自社だけがよくなるのではなく、地域全体がよくなるように同友会運動を進めていって欲しいですし、進めていきたいと思っています。

インタビュアー・文責:伊井 達哉(愛媛同友会 事務局員)

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