繰り返し行動すること、続けることが大切

一色 隆士氏

<一色 隆士・プロフィール>
1948年生まれ。日興石油株式会社 社長。愛媛県中小企業家同友会 元理事。
愛媛県中小企業家同友会創立(1985年9月14日)直後の1985年9月25日に入会。愛媛同友会企画委員長や組織委員長、等々を努める。
一色さんの“反骨心”と「天は人の上に人を作らず。人の下に人をつくらず」の“対等、平等”の精神を実践する姿は、愛媛同友会の設立時の逆風を克服する原動力となると同時に、愛媛同友会の会風の礎となっています。

―入会のきっかけ

当時事務局長の鎌田哲雄さんが飛び込みで来られて、同友会についての話を受け、どんな経営者、どんな業種の方が入会しているのか聞くと香川同友会に石油業界の人もいたため入会しました。

 

鎌田さんは当時、同友会への逆風の中で苦労していました。私も30代で若く上から目線の方や会合などに対して反骨心を持っていました。それは、大学で学んだ福沢諭吉の「天は人の上に人を作らず…」というような対等の立場や考え方があったのかもしれません。そして同友会活動は、政治は抜きで政治絡みの会ではない、ということも入会した一つの理由でした。その時に、政治絡みのない会なんてあるのかと理解不足から多くの人が辞めていった時期もありました。しかし政治が絡んでいないと、会員が皆平等に話ができるのではないかと思ったためです。

 

私の高校当時の野球部監督が言っていた「来る者は拒まず、去る者追わず」という考え方の影響を受けて、去っていく人よりも新しく入会する人を優先しました。

 

他人があれこれと言うのは勝手にすればいい、私たちは、自主を基礎に自由に討論することが大切であるという考え方でした。

―同友会で学んだこと、経営に生きていること

社員教育で全国大会に参加した時に、「社員教育と言っていても、経営者が社員に対して参加報告の内容を聞きもしない経営者が多すぎる」という話をしていました。

 

この話を聞いたことは強く印象に残っています。「まさに私のことを言われている」と思いました。当時はしっかりした社員教育はできていなかったと思うし、社員をほったらかしにしているように感じた。この全国大会がきっかけになって、社員教育に取り組み強化し始めました。また、経営指針成文化セミナーは初期の段階から取り組んでいました。

―失敗や成功

失敗は恥ずかしくて言えないほどあります。失敗が重なった時や、間違ったと気づいた時に社員に素直に謝る時もありました。間違ったらすぐに謝る事も大切だと考えています。

 

私は、大手石油会社(松山勤務と東京勤務)に10年間働いて松山に帰ってきましたが、大企業と中小企業の給与にかなりの格差がありました。ですから社会環境に応じて、常に労働環境の整備改善は気にかけてきました。各店舗における人数などは減って来ていますが、社員の意識は高くなっていると感じています。

 

大きな会社でも撤退や、業態転換している石油販売業界の中で、生き残っていることが成功かもしれません。また、当社元会長が決断しかねていた鴨川の店舗を、思い切って出店させた事は成功かもしれません。

―同友会への期待

同友会は学びの場であり、親睦の場ではないと思っています…親睦を否定するものではありませんが。繰り返しの議論や討論になることがあるかもしれませんが、繰り返し続けていくことはとても大切だと思います。同友会運動をこれからもずっと続けて欲しいです。そして社員に対しても根気よく言い続けることは大事な事で、その事を実践したかどうかが大切ですが、「続けることの大切さ」を同友会で学びました。

インタビュアー・文責:伊井 達哉(愛媛同友会 事務局員)

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