同友会は失敗を語り、聞ける場です

井浦 忠氏

<井浦 忠・プロフィール>
1930年生まれ。株式会社いうら最高顧問。
1985年の愛媛同友会設立総会に奥様の井浦トミ会員が総会議長をつとめ、その後1987年8月に井浦忠氏が入会。1999年から2004年まで代表理事・広報委員長、中小企業家同友会全国協議会幹事を歴任。
数々のヒット商品を世に送り出し、下請け鉄工所を国内でも有数の福祉・介護機器メーカーに育てた井浦氏。「社員の人生と企業の将来性に責任を持てる人が経営者になるべき」を持論に73歳で2003年に世界初の「軸肥大加工」技術を発明して愛媛大学工学部博士号を取得。モットーは「寝たきりをなくすまで、技術に終わりはない!」

―入会のきっかけ

私の入会のきっかけは妻です。中小企業家同友会には妻が先に入会しました。脱サラして夫婦2人で企業家になったからには企業家、経営者としての勉強をしたほうが良いということで、先に妻が中小企業家同友会で勉強を始めました。そして妻が同友会で会合に出て帰ってきたとき、企業家として勉強する場があったと言って感動して帰ってきたことを覚えています。それから妻と経営のこと等語り合う機会が増え、妻から聞くだけではなく、自分自身も同じ場で学び合おうと思い、入会しました。

―同友会で学んだこと、経営に生きていること

まずは妻と共に学び合いましたが、他の会員の方々とも多く学び合いました。“中小企業家”同友会だから、夫婦で営業している小さな会社もあれば100人以上社員のいる会社もあります。対等に、真面目に、失敗も語り、共に学び合うことはとても素敵だと思っています。

 

妻とは経営のことをお互いに語ることを繰り返し続けました。妻が先に同友会に入会し、最初は妻の質問に答えていた私ですが、そのうち答えられない質問がでてきました。これは私も勉強しなければいけないと強く思ったことを覚えています。妻と2人で一緒に学ぶことでより多くのことを学んだと思います。

 

同友会で様々な失敗、成功、工夫を聞き、中小企業だからこそ付加価値、強みを生かすことが必要です。仲間が必要で、学び合う人が必要だと学びました。

―経営での失敗や成功

私は経営はしたことがなかったので企業経営を何もわからずに始めました。今でも覚えていることは、起業した当時私は小切手と手形の違いも分からず使い方も知りませんでした。先方に電話で注意されたことがあります。

 

私は先に勉強して経営者になると失敗することが多いのではないかと思います。ゼロから失敗しながら学ぶことで自ら考えて行動し、より成長するのではないかと考えます。私はそうでした。

 

例え小さい仕事でも一所懸命考えて行動する。どうやって付加価値をつけるのかを考える。そうすればきっとチャンスがくると思います。中小企業はそうして生き残っていくのだと思っています。

―同友会への期待

会社として大切なのは社員を継続して雇用し続ける。社員の働く場所を保障することだと思っています。そのために中小企業は夢を持って、一所懸命行動し続けなければいけません。付加価値を作り、冨をつくることが重要なことです。

 

同友会は失敗を語り、聞ける場です。ゼロから始めることもできる場です。ゼロからの場合は必ず中小企業家同友会学んだ方がいいと思っています。ゼロから教えてくれる、本質を経営者同士が共に学ぶような場はありません。

 

同友会では経営の本質、基本を失敗しながら学びました。そういった同友会らしさ、同友会の強みを持ち続け、あり続けてほしいと思っています。

インタビュアー・文責:伊井 達哉(愛媛同友会 事務局員)

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