企業のできる社会貢献。それが条例にもつながっていく

篠原 治行氏

<篠原 治行・プロフィール>
1954年生まれ、株式会社エスディー企画設計 代表取締役。愛媛県中小企業家同友会 地
域づくり本部長。1990年入会。

 

2007年には、東温支部の設立に携わり、2014年度まで支部長を務める。
条例制定運動を柱として支部活動を展開。地域に役立つ経営者になろう、地域と共に育つ経営者になろうという思いから、条例づくりに取り組む。

 

2013年4月に施行された「東温市中小零細企業振興基本条例」の制度に東温支部長(当時)として尽力を果たす。現在も東温市中小零細企業振興円卓会議委員として運用に携わっている。

―入会のきっかけ

1990年に横本恭弘さんの紹介で入会しました。独立してこれから経営者としての勉強をしていかないと思い入会しました。経営者としての学びは同友会が初めてでした。

 

技術者として1人で設計事務所を立ち上げ、社員が増えてきて、会社として設計事務所をどう経営していけばいいか悩んでいる時期でした。若い建築者を育てていきたいという思いもあって同友会に入会しました。

 

入会当時は武田正晴さんや大北竹彦さん、千守淳さんとともに企画委員会として活動していました。例会をどういったものにしていくかを考え、同友会についても考えながら、そこで同友会についても学んでいったと思います。

―同友会での学び経営に生きていること

経営指針を作成しました。経営指針成文化セミナーを受講して講師の奥長さん講義を聞き、会社にとって何が大切なのかを学びました。そのときに現在の経営理念である「我々は誰もが笑顔で暮らせる美しい街を創造できる企業を目指します」を作成しました。社員全員でもって、仕事の働きがいや生きがいはそこにあるということを充実につなげたいと思っています。経営者として一番重要なのは社員の幸せだと考えています。

 

経営指針の成文化後は経営指針成文化セミナー卒業生の会「あらぐさの会」の代表も経験しました。会員さんの経営指針作成の支援をしていくとさらにわが社の想いが深まっていきました。

 

愛媛県建築士事務所協会で理念、経営指針が大切だという話をしていったのも同友会での学びがあったからだと思っています。事務所協会の意味や価値がどこにあるのかを考えていき、愛媛県の建築士のレベルをどのようにして上げていくのか等を話し合いました。

 

企業のできる社会貢献。それが条例にもつながっていくのだと思います。

―失敗や成功

国の仕事なんかをしていると、国土交通省に技術者として派遣してほしいという声がかかるようになりました。そして2,3年経験を積んで帰ってくると今度は大手のコンサルタント会社に引き抜かれてしまいました。大手コンサルタント会社は仕事が分かっている人材が欲しいのだと思います。毎回のように引き抜かれていってしまいました。これは私の経営者の責任だと思っています。経営者としての想いを伝えきれていませんでした。

 

それぞれの場所で役割や仕事があるということを説明しきれず、社員が理解しきれていないまま派遣してしまったことが原因です。これが失敗だと思います。

 

社員を建築家に育てたかったですし、国土交通省に派遣していたのも将来のためにできることが増えて、独立して、一人の建築家として愛媛県の建築界をけん引するような人材になってほしいという思いからでした。

 

いつまでも社員でいるのではなく、独立してほしかったのですが、大手のコンサルタント会社に引き抜かれてしまうと2級建築士のままになってしまい、1級建築士として独立するような状況ではなくなってしまう。コンサルタントとしての仕事になってしまう。本人達は理解してその仕事に就いているが、入社当初の建築士になるという想いから変わってしまっています。私の伝え方がうまくなく、伝えきれなかったことが反省です。そんな思いをさせなくなかったと思っています。

―同友会への期待

同友会の学びは経営者にとって必要なことであり、大切なことだと思っています。それをどう県内に広めていくかを考えて行動していく必要があります。現在愛媛同友会は南予に支部がありませんし、南予向いて同友会も広げていきたいと思っています。同友会を広げていくことが愛媛県の経営者のためになり、愛媛県の発展につながると思っています。

 

同友会運動は本当に良いものだと思うのでどうやって広めていくのかは考えていく必要がると思いっています。中小企業振興基本条例を各地域で作っていくという運動の中で南予にも支部を作っていくような流れになればいいのかなと思います。

 

東温市でも条例を浸透させていくために工夫して地元経営者に理解してもらい、発信して行く中で同友会運動も理解を広げて、そして会員増強にもつなげていけたらと思っています。

インタビュアー・文責:伊井 達哉(愛媛同友会 事務局員)

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