鎌田哲雄の同友会形成コラム「陶冶(とうや)」

 

2018年度 バックナンバー

VOL.148 働き方改革で利益が吹き飛ぶ?

働き方改革、政治的には否定しようがなく、聞こえがいい「美名」だが、特に小売・サービス・建設業等にとっては、単なるコストアップにしかなりません。

悲鳴にも似たご相談があります。それは、「若手の離職が止まらない」というご相談です。働き方改革に若干遅れをとってしまっている企業は特にそうだと思います。

ネットの就職情報サイトには「ブラック企業」「就職しないほうがよい」「退職者が多すぎて内部が崩壊」等、企業規模に比しては多くの書き込みがあります。年収ベースではそれほど悪くはありませんが、長時間労働・休日出勤が多く、管理職がパリっとしていない、そんな状況が目に付きます。出勤簿に押印するだけで、時間管理はなされていない。年次有給休暇は病欠以外なく、申請書さえない。「働き方改革」「人出不足時代」において、「未来のない会社」になってしまいます。

このような状況で、収益性・安定性に乏しければ「お手上げ」です。少なくとも利益は半分、足らなければ利益を3分の1にしてでも、「会社の姿勢」を社員に理解してもらうことです。チマチマやるのではなく、一気に改善をすることです。特に残業代と休日出勤手当を解決する。休日を増やす事に集中する。既存の社員が「会社は本気だ」と思うレベルに引き上げる。これは経営者にとっては恐ろしいことです。上昇の流れをもし作れなければ赤字に転落する恐れもあります。でも、やるしかありません。

ヤマト宅急便も現状の労働条件の改善だけでなく、過去2年分の残業代の遡及払いも行いました。中小企業が過去分の精算となると苦しいが、少なくとも現在を抜本的に改善することが求められています。お金が出せない収益性・安定性に乏しい会社はどうするか。不採算部門・商品・顧客から撤退し、業務リストラを行い、まずは縮小・スクラップすることです。つまり、働き方改革を実行できるような人と組織の体制を軸に事業を再構築する他ありません。

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