佐藤慎輔氏
サトー産業(株) 代表取締役
私が同友会に入会したのは、1997年、32歳の時でした。
当時は一営業マンとしての仕事から取締役になり、何をしていいのか戸惑うばかりの日々だったと思います。
私自身も家族経営的な甘えから脱することもできずに、ただ良い会社にしたいという思いだけで力んでばかりいました。
例会や全国大会は勧められるままに参加し、会員さんの企業を訪問して経営者や経営幹部から話を聞かせてもらうことが自然と増えました。
同友会で学んで社内で実践していることは、社員教育と組織づくりです。
四国中央市では、仕事を転々とする若者たちが問題になっています。
原因は人間関係であったり、やりたいことが見つからないということであったりするようですが、その根本にあるのは、仕事観が確立されていないということだと思うのです。
そこで、社員さんに主体性を持ってもらうというのが、私の社員教育の大きなテーマになっています。
同友会で学んだ「労使見解」の精神に基づいて、社員さんパートナーとして徹底的に見える化を図っています。
それは給与についても同じで、目標にどう取り組んでどう成果を出したらどう評価するか、ということも開示しています。
これにより、次第に社員の中にも経営への参加意識が生まれてきました。
経営に大切なのは「ここは自分の会社だ」と自覚してくれる社員がどれだけいるか、ということだと思います。
そのためには経営者として常に、「社員が何を考え、何を望み、何を不安に思っているのか」に、気を付けています。

―皆さんへ
会社では社長、同友会では理事という立場ですが、私は決して人格者ではないので、いつも周りの人に支えてもらっていると感じています。
もし私が関わることで、自社も含めて、少しでもその人やその会社が良くなるのであれば、それは私にとって素晴らしいことであり、やりがいのあることなのです。
同友会に入っていると、そういうチャンスに巡り合えると思い、いつもワクワクしているのです。