会員の声

同友会の会風が、社風にも生きる

有高智佳代氏

有高智佳代氏

(株)有高扇山堂 専務取締役

夫の有高秀三社長が愛媛同友会 四国中央支部会員

―伝統の中にこそ、革新の連続がある

弊社は創業昭和5年、伝統工芸品である水引をはじめとする紙製品の製造卸業者です。

 

私は以前、小学校の教師をしていました。
夫と結婚後も仕事を続けていくつもりだったのですが、家庭の事情があり、「こんなはずじゃなかった」と思いながら退職して、弊社に入りました。
子育てと慣れない仕事で、当時は本当につらかったです。

 

転機は水引のデザインに関わるようになったことでした。


私は、外部から入ってきた者として、昔ながらの水引を「いい」とは思えませんでした。
「自分が使うのなら、もっとこうしたい」という想いがありました。


ある時、夫が「君がいいと思うようにデザインしてみて」と言いました。
少しは仕事が楽しくなるかもしれないという心遣いだったのでしょう。
これをきっかけにデザインした商品が、ヒットしたのです。

 

当時、女性の水引デザイナーはおらず、業界はプロダクトアウトが当たり前でした。
ここに、外部からの視点を取り入れたことで、一般に受け入れられたのです。


伝統工芸に新しいデザインを取り入れることについては、「邪道だ」という声もありました。
ですが夫は「デザインは君の仕事。売るのは私の仕事。思うようになってみなさい」と後押ししてくれました。

 

伝統を伝えていくためには、同じことを繰り返していたのではいけません。
商売として成立しなければ、伝統そのものが途絶えてしまうのです。


何を大切にするのかを見極め、「伝統の中にこそ、革新の連続がある」という覚悟をもって取り組むことを、夫の姿勢から学ぶことができました。

―同友会は対等に発言できる自由な場所

同友会の会員は、私ではなく夫です。
夫は経営指針成文化セミナーにも参加するなど、同友会で学び、「生きている限り、学び続けたい」と話しています。


以前、夫が同友会に惹かれている部分について聞いてみたところ、「会員がいきいきしているところ。同友会では1つのテーマについて、皆が対等に発言できる。自由な場所なんだ」という答えでした。

 

こういった同友会の会風が、かつて、素人の私にデザインを任せてくれた夫の経営姿勢にも繋がっているのだと思います。

同友会は対等に発言できる自由な場所

―皆さんへ

私も、夫と共に同友会を通じて様々な出会いの機会をいただきました。
人と出会い、そこからの関係の広がりに、ずいぶん助けられています。

 

自社の経営に本当に大切なものは何なのか、しっかりと考えながら、共に学び続けていきたいと思っています。

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