同友会ニュース

2014年11月7日

愛媛県中小企業家同友会・提供講座 第6講 & 質問回答


▲積極的に質問をする受講生
世の中捨てたものじゃない。世の中は信じられるもの…
 第6講は愛媛県中小企業家同友会専務理事の鎌田哲雄さんに私伊井達哉がインタビューをしていく形で行いました。
 「車に布団だけ積んで来て、同友会をつくった私の選択 ~この世に憧れの存在をつくることの面白さと価値~」がテーマです。
 
 鎌田さんは「選択と決断」について、同友会入局、設立のきっかけの話から授業をスタートしました。
 
 その後同友会とはどんな会なのか、何をして、誰がいて、どんな目的なのか、具体的な話も含めながら、本質はどこにあるのかについて、そして同友会は何を目指しているのかについて話していました。
 
 提供講座をしている理由・目的を具体的に話していただき、明治維新からの政策で官尊民卑が生まれ、その意識があることを自覚してください。物事の味方として、縦軸でだけ見るのではなく、横軸でも見ること。公務員や大企業、中小企業がそれぞれの役割を果たしているのがこの世の中であると話しました。
 
 90分間の授業ですが60分ほどで鎌田さんからの話を終えて、受講生からの質疑回答に移りました。質問に応え、受講生にはより理解を深める有意義な時間になったと思います。
 
 同友会の学びについて話した時に、その真髄は失敗を教訓とし、自己変革から成長につなげていることに受講生は驚いていました。
 失敗をオープンにし、人の失敗を聞き、自身の教訓にする、失敗を法則化すること。学ぶことは裸になることであり、知識を増やし、知恵にすること。そうすることで自身が憧れの存在になることが大切である。
 私自身事務局で鎌田さんの話を聞き、日々学んでいますが、今回は同友会の本質や理念を改めて学べた良い機会になると同時に、若者に中小企業の役割、価値を発信するよい機会になりました。
 
  日頃から鎌田さんの言う「世の中捨てたもんじゃない。世の中は信じられるもの。」という言葉をより深く理解でき、私自身が憧れの存在となれるよう日々努力していかなければならないと改めて感じました。
 
(鎌田さんの選択、入局のきっかけについてはインタビュー企画「温故知新」にも掲載していますので是非ご覧ください)
 
次回、第7講は、株式会社コッコ・サン 代表取締役の森本智香さんにご登壇いただきます。テーマは「絵本は心の扉 ~子どもたちが絵本に親しむ空間づくり~」です。
一般聴講も可能ですので是非足をお運びください。
 
文責:伊井 達哉(愛媛同友会 事務局員)
 
 
 
質疑回答(Q:質問、A:回答)
今の日本は中小企業が9割以上で社会を支えているとはいえ、大企業が中小企業のような役割や取組みをしたら、将来は中小企業が本当に必要なのか疑問に感じました。
大企業が中小企業のような役割や取り組みをすれば世の中は更に良くなると思います。逆に中小企業も集合体として大企業の役割や取り組みをすれば良くなると思います。
要は大企業も中小企業も経営の目的を果たすことが大切だということだと思います。ただし、構造的に大企業は中小企業の役割や取り組みが出来ません。
その理由は何かと言うと、経営は“経営・資本・労働”によって構成されています。
大企業は資本=株主に目が向いています。株主に儲けて、喜ばれる経営をしています。ブラック企業は株主に利益を上げてもらうために労働力(社員)に劣悪な労働をさせています。
その結果、ブラック企業(例えば、W社やZ社は社員が定着しないし募集しても来ないので店舗を閉じています)はダメです。
中小企業は経営も資本も一体です。社員やお客さんに目を向けています。ですから、構造的に大企業は中小企業の役割や取り組みをすることは難しいのです。逆に、中小企業は大企業の役割や取り組みを果たすことは可能です。そのために、同友会運動が大きな役割を果たします。
 
「見出す」ことは意識や考え方を変えることや、自己分析をすることによって得ることができると思えますが、「見極める」ことはそうでないように思います。「見極める」ことは「見出す」とは違った意味の力のような気がします。物事を「見極める」ためには、何をどのようにすればよいのでしょうか。
見極めるとは規制概念や情報やお金にとらわれずに人や物事の本質を捉えることです。そのためには、人や物の原点と存在意義、価値まで遡って考えることです。
 
裸になることとは、裸になるためにはどうすれば良いのでしょうか。
前提条件として、生きていけば「人から良く見られたい」とか「弱点を見られたり、指摘されたりしたくない」等の情報や知識が“鎧”という服を身につけています。鎧をたくさん身につけることが世の中で上手く生きていけることだと錯覚します。世の中で上手く(?)生には“鎧”がなく裸の状態でいること。そうすると、ものの見方や考え方に色眼鏡がなくなり本質を見極めることができます。
想像してみてください。学ぶとはコップを満杯にしていること、ではなく満杯のコップを空にすること。方法は色眼鏡ではない本質を見極める、見抜く目を持つことです。
 
将来中小企業で働きたいと思っています。就職先を決めるポイントで利益配分に格差がないかとありました。面接の段階で聞くことはできないのでしょうか。どんな方法で選んだら良いか教えていただきたいです。
面接で担当者や経営者に聞くことは可能です。同時にそういう質問に誠実に対応してくれる担当者や経営者は良い経営をしている企業でもあります。
企業選びでの方法は既存の求人情報や知識と、同友会事務局に直接訪問して選んでください。企業選びの視点はいくつかありますが、まずは経営指針(理念、方針、計画)が確立されている。就業規則が実用されていること。経営者と社員の信頼関係・・・
 
経営者はどんな自覚を持つべきですか。どうすれば憧れの経営者になるのかについて疑問を抱いています。
謙虚さを持つことだと思います。受身ではなく、積極的な謙虚さ。経営者は人・モノ・金・情報と、あらゆることをする必要があります。その時の座標軸は謙虚さです。謙虚に聞き、学び、実践することです。
失敗を教訓にし、法則にすること人が憧れの存在の定義です。失敗をオープンにすることが大切です。教訓とは、失敗の本質を見極め、失敗の原理原則を明らかにすること。法則とは教訓を誰もが理解でき、活用できるようにすることです。
 
インタビュアー・まとめ:伊井達哉(愛媛同友会事務局員)
 

▲講師の鎌田哲雄専務理事

 

▲インタビュアーの伊井達哉(左)

 

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