2020.12.3 松山市立余土中学校でキャリア教育講師派遣授業を行いました!
この授業は2012年から松山市教育委員会と協定を結び、愛媛同友会との共同事業として行っているもので、2019年度から始まった県内中学校職場体験実習・えひめジョブチャレンジU-15が新型コロナの影響で中止となる中、代わる授業として地域からも期待される事業となりました。
<有限会社阿部木工 阿部祥太会員/代表取締役社長>
阿部木工さんの授業は、アイスブレイクで生徒さんたちの緊張をほぐしてからのスタート。「造作家具」という据え付け家具を取り扱っており、BtoB(Buisiness to Buisiness)で法人事業向けに家具製造している当社。ニトリ・ダイキのような企業とは違う特徴を持っていると話します。また、会社紹介では、機械を取り入れていることで女性も働ける職場づくりをし、女性社員も多く昔とは違うイメージを持っている自社の特徴も話しました。
新型コロナで接触の伴う体験活動が難しい中、動画で製造工程を見てもらって会社や仕事の雰囲気を伝える工夫をして頂くとともに、学内を探検して学校にある据え付け家具を捜していくワークを取り入れることで、身近に阿部木工さんのお仕事を感じてもらう授業となりました。
<恭栄自動車株式会社 武田正輝/代表取締役社長>
恭栄自動車さんは自動車整備会社で、武田さんは三代目社長です。当日はエンジン部分などの写真も扱いながら、ホイール付きのタイヤ、車のドア、オイルなどもご持参いただいて目に触れてもらいながら授業をしました。
自動車には、なんと3万点もの部品で成り立っている話からはじまり、専門用語などの解説も。自動車整備の仕事は、少しでも緩むと大きな事故につながります。生徒から「仕事では何を大事にしているか?」との質問について、「うそをつかない、だまさない」ことを信念に仕事をしていると武田さん。プロとして仕事の姿勢のお話しもされました。
<有限会社オルソ本田 本田 敏郎 氏/代表取締役社長>
義手・義足製造の(有)オルソ本田で社長の本田敏郎さん。技師装具士としての
時間をかけて出来るものづくりを大事にしたい。障害のある方を“かわいそう”という考えはやめること、障害のある方に何かし過ぎるのはかえってつらくなり「自分で出来ることは自分でしたいのが人間です」と障がい者への理解を求めました。
「仕事を通してうれしかったことは?」との質問には、装具によって「できないことが出来るようになった」と“感謝される”ことが一番うれしいと話します。若い時に足を失った女性のエピソードです。その女性は子どもがほしいと切望されていたのですが、妊娠による体重増加など体の変化で義足も変えていかざるを得ない大きな負担を心配されていたところ、体重増加にも対応できる義足を作ったことで、義足を変えることなく子どもを産むことができました。子どもを連れてきて会いに来てくれたそうです。
<昆布森株式会社 好永 和広 氏/代表取締役社長>
食品加工製造の方ならではの話で、海藻・昆布の原産地の話から、製造工程の話、また出来た商品を実際に買ってもらうために「禁煙こんぶ」といった商品のネーミングを工夫した例など、マーケティングという売り方の工夫の話まで幅広くお話しされました。「アンテナを高くすることが重要」で、お客様の何気ない話まで大事にして商品づくりに意見を反映させて工夫しているなど、新商品開発の努力には丁寧に「人の話をきちんと聞く大切さ」も生徒に語りました。
授業では、生徒に商品を配って実際に味見もしてもらい、“五感で感じられる”授業になりました。
<NPO法人ワークライフ・コラボ 堀田真奈会員/代表理事>
堀田さんは国家資格・キャリアコンサルタントをお持ちです。キャリアコンサルタントの仕事紹介から始まり、働くことの語源「端(はた)を楽にさせる」というルーツの話まで、働く意味について分かりやすく例を挙げながらお話しをして頂きました。
ワークショップ形式も取り入れて、「どんな職業を知っている?」「どんな会社が知っている?」のテーマで、5、6名のグループに分かれて何社挙げられるか競い合うなど、とても盛り上がった雰囲気で職業について考えました。実際に生徒が知っている会社は、テレビCMでもよく耳にするような大企業がほとんどです。堀田さんは、「中小企業が99.7%を占めている」と、中小企業が愛媛をはじめ地域を支えていることを解説しました。
皆様、ご多用中にもかかわらず、未来ある地域の子どもたちに素晴らしい授業をしていただき、ありがとうございました!
文責:愛媛県中小企業家同友会 安丸雄介
▲講師:堀田真奈氏
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▲講師:好永和広氏
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▲講師:本田敏郎氏
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▲講師:武田正輝氏
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▲講師:阿部祥太氏
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